中川繁夫の寫眞と文章

中川繁夫の自伝を書いていきます。すでに収録済みの寫眞帖ブログ、撮影被写体は釜ヶ崎、白虎社、京都、撮影期間は1978.9~1984.3です。

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1980年ごろだったか、かって写真行為論なんてタイトルで文章を書いていた記憶があります。写真行為とは、写真を撮って、その写真をどう他者に見せるか、ということを考えていたところでした。その頃って、ネット環境なんてなくて、だからもちろんメールなんてなくて、ソーシャルネットワークSNSなんてなくて、あったのは電話回線を使って草の根BBSでしたか、パソコンから文字を送るということが始まったばかりでした。その当時にはビデオカメラもセットで百万ほどしたからぼくなんかは手に負えるものではありません。写真を見せるといっても、ギャラリーを借りて、写真展を開く、そこへ来てもらう(この方法は現在も行われています花盛り的に)。来てもらうためには知らせなければいけなくて、ハガキなどに印刷して、郵便で送るという方法で告知していたところです。友達に見せ、家族で共有する、ということがありますが、写真愛好者が集まるクラブの例会や、新聞社が主催する写真例会や、カメラ雑誌のコンテスト、これらが発表の場として、確保することでした。それがいま、今、いまはどうなのか。このことを論評してみようと思い立ち、ここにいるところです。

掲載した写真は太陽の塔、たいがいの人はこの造形物が何処にあって何なのかということを、見ればわかるというレベルにいらっしゃると思います。じつはこれ、スマホ、アンドロイドを使っていますが、それを使ってインスタグラム、俗称インスタで撮って、ネットにアップした静止画なのです。ライブ発信です。ライブ発信ということは、撮ったその場で数秒後には、ぼくのサイトにアップされるわけです。ぼくは、見せる行為としての写真行為論を組み立て、ライブで痕跡を残していこうと思っていて、それの実行という行為です。かって、まだビデオ環境がなくて写真をつくるのにもフィルムを使っていた当時、1979年ですが、日替わり写真展という行為を実行してみました。撮った写真を現像処理して翌日に展示するという行為でした。それが今や、スマホからSNSへ、という行為です。

スマホで撮ってインスタにアップします。インスタにアップすると同時に、ブログのアメバ、SNSのツイッター、フェースブックへ、アップします。それぞれにそれぞれの使い勝手があって、使い道があって、SNS系は時間軸に沿って記事が流されていく感じで、すぐさま過去になってしまう感覚です。でも、場所とおおむねの時間が同時に記録されているから、過去から現在への見せ方がライブ感覚でできるわけです。と同時にインスタの写真をブログのアメバに連動させていて、アメバには写真記事として溜まっていきます。これらは、写真表現のレベルで、写真発表の現場であって、発表する形式であって、SNSではイイネをポチで、サロン的要素を共有感覚が持てて、写真展に足を運んでもらうよりはるかにイージーに、友達関係に見てもらうことができる。ブログは、ぼくの場合、公開してるから、だれでも見れるようになっています。
(続く)

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※掲載写真は1985年のフォトハウスWS風景から、講師は島尾伸三氏、です。
<フォトハウスの歴史>-7-

フォトハウス研究所の設定について

 フォトハウス・ワークショップを開講してきたなかで、基礎部分が終わり、研究分野に進んでいくことになり、数人のメンバーによって研究会が開催されることになる。そこで以前からも私の構想の中にあった形態だが、写真学研究所といったものを開設し、ここを写真研究の中軸としていくことが望ましいと考えています。具体的には大隈さんのスタジオを当面の所在地とし、写真の基礎技法をフォローする化学的メカニズムを研究する母体としていくことを目的とします。

<フォトハウス写真学総合研究所>

第一課、化学実験を中心とした分析学術
    1、薬品研究 2、フィルム現像特性研究 3、完全処理プリント研究

第二課、光学、工学理論を中心とした分析学術
    1、写真美学研究 2、写真システム研究 3、カラー写真研究

第三課、歴史、社会構造、思想を中心とした分析学術
    1、写真史学研究 2、写真社会学研究 3、写真教育学研究

第四課、作家及び作品の解析を中心とした学術評論等
    1、内外歴代写真家研究 2、内外歴代写真作品研究 3、現代写真研究

第五課、写真をベースとした表現、写真から派生した表現の学術研究
    1、写真応用美術研究 2、周辺表現ジャンル研究
                                          以上



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※掲載写真は1985年のフォトハウスWS風景から、講師は平木収氏、です。
<フォトハウスの歴史>-6-

定例研究会の開催について

 1986年2月以降、フォトハウス写真研究機構の構築についての具体的なダイアグラム、スケジュール等を討議するための定例研究会を開催する。
 これは研究講座事務局が主催する研究会とは別個に、フォトハウス事務局が主催し、将来のフォトハウスのビジョンとして「写真学総合研究機構」といった構造を構築していくための青写真づくりを行うものです。すでに案については概略ながら作成されています。「フォトハウス研究所の設定について」の課目を具体的な分類と内容について検討します。

 システム化された研究機関・組織又は個人を有機的につなぎ、研究者、研究生らは、それら機関を通じてフォトハウスの提唱する育成の範囲の研究者を育成します。各専門家として必要な研究項目(カリキュラム)を作成し、フォトハウスの傘下のもとに設定し、配置し、学ばせます。

 つまり学舎を持たない大学以上のレベルを持った研究機構を構築する。これまでの研究機関というのは、大学であれ研究所であれ、おおむね閉鎖された機構として存在している。フォトハウスが考えるところの機構は、それら大学や研究所を含め、なお不足部分について所定の条件で設立し、総合的に、研究の場をオープンさせて行こうとするものです。日本のあらゆる期間を有機的につなぎ、連携を持ったなかで人材を育成していこうとするものです。


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 静止画によるイメージ制作で、なにを為そうとしているのか。いつも、たいがい、写真という字面を見て、読んで、思うことが多い、自分への質問状です。考えるというか思うというか。考えるということは、論を組み立てていく作業だと思うけど、論を組み立てるなんてことができないから、思う、というレベルだと感じています。俗に写真といっているモノを、最近のことでいうと、静止画といういいかたの方があっているのではないか、と思えます。静止画に対して動画というモノが置けるからです。技術的に写真が出現する以前は、絵画、版画という平面の静止した絵でした。絵画、写真、映像、という歴史的時間の流れのなかで、現れてきた表現手段です。

 静止画である写真というモノを軸に考えてみると、ここから四方八方、いやはやビッグバーンで宇宙が拡大していくがごとく、様々な方向に論がひろがっていくではありませんか。その中心に立って、見まわしてみて、そこから見える星屑のごとく、一点一点に論を与えていくことにしないといけない、と考えるわけです。つまり、全体像をイメージ化して言語にしていく、あるいはイメージ画像にしていく、このことが重要なことではないかと思えます。道具としてのカメラが、今や、いとも簡単に静止画=写真を作り出してくれるから、絵画に比べて、動画=映像にくらべて、イージーに簡単、遊びの道具としてもてはやされる時代です。

 「写真について思う」シリーズは、およそ二年半ぶりの再開になります。前の最後のイメージが内灘の弾薬庫痕の風景だったので、その続きとして、同じ時に撮った別角度の写真を載せました。撮影は1975年ごろの夏です。内灘とは石川県の海金沢から近い砂丘の海岸にある地名です。今は渚ドライブウエーの起点になっています。で、1980年ごろには、この弾薬庫痕が無くなっていて、当然、現在においては見ることができません。戦争が終わって占領がとかれた当時、ここに米軍の試射場が設置されて、その弾薬庫として使われたコンクリートの塊の残骸が写ったのが、この写真です。ぼくの手元にこのネガがあり、デジタルデーターになって、いま、ここに、お見せできるのですが。一枚の写真から、その背景の話にすすめていくと、これは歴史の証しとなりますね。

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※掲載写真は1985年のフォトハウスWS風景から、です。
<フォトハウスの歴史>-5-

フォトハウスが開催する講座:フォトハウスワークショップの講座について

技術修得講座
 ・ゾーンシステム(基本技術)
 ・シルバープリント、ブループリント、ガムプリント(ゴム印画法)
 ・古典的印画法各種
 ・シルクスクリーン、リトグラフ(石版画、銅版画)
 ・プリントのあーカイバル処理、各種調色
 ・ポートフォリオ、オリジナルプリント保存法
 ・造本、オリジナル写真集
 ・出版、出版ノウハウ
 ・ポラロイド写真の応用
 ・コピー機材の応用によるプリント制作
 ・カラープリント

技能修得講座
 ・写真史(歴史、社会構造、思想など各種細分化)
 ・美術史(歴史、社会構造、思想など各種細分化)
 ・現代美術(写真、美術などの現代思潮)

研究コース
 ・ワークショップ受講済のメンバーによる各研究講座
 (より専門知識を修得し、栄作・研究される成果が一級の商品としての価値が付加されるまでを目途とする)

セミナー
 ・専門分野の専門知識を持って専門レベルで講義
 (フォトハウスWS受講者以外の受講希望者も受け入れる)


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